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2016年10月25日

panda01.gif 資本主義下の労働と対価

世の中には、傍から見ても大変な労働をしているなぁという人は一定数いるのだが、その全員が高い給料を貰っているわけでは無かったりします。例えば、たまに過労により事故を起こすトラックやバスの遠距離ドライバーは労働時間からすると相当な時間労働をしております、一方で、商社や外資系コンサルの方々も深夜までバリバリ働いていると言われます。しかし、こと給料という面で見ると、圧倒的に商社や外資系コンサルの方が貰っているというのが一般的な認識です。

何故、同じように身体にムチを打つような長時間労働をしている両者の間に大きな賃金格差が生まれるのでしょうか?この手の質問をすると多くの人は、トラックやバスの運転手は誰でも出来るけれども、大手商社や外資系コンサルの仕事をこなせる人は能力も高く、このような人は希少なので給料が高いのであると。

ある側面では、この答えは正しいでしょう。しかし、それでは、商社と同じような給料を貰えながらも、そこまでの激しく労働をしなくても良い業界もあります。その給料の差は何から生まれるのでしょうか?

その答えは、結局のところ「高い資本効率を生み出すところで働いているのかどうか、働けているかどうか」に依るのだと思います。では「高い資本効率を生み出す」とはどういう事でしょうか?

そもそも経済成長に於いて重要な鍵となってくるのは資本効率や労働効率といった効率性の高さになります。例えば第2次産業が勃興している際には、ものづくりの新たなメーカが世に求められているし、大企業ほど効率良く世に必要とされる物を供給できるので、一般的には小企業よりも大企業の方がお金が儲かるので大企業に勤めた方が賃金も高めになります。また、企業が成長する際には多くの資金が必要とされている一方で、市場では資金が不足していたので、銀行が各家庭を回って預金してもらい世の中の資本効率を上げていきました。そのため、銀行は利益を上げて賃金も企業群の中で高くなりました。

しかし、時代が代わり第2次産業も競争が激しくなると、第2次産業の分野によっては市場供給の過程において十分効率が高くなり、売上を延ばすことが難しくなり賃金の伸びも落とさざる得ない業界が出てきました。銀行も同様で、金余り時代になると資本調達が楽になり、更にフィンテックが発達すればするほど、資本調達に於ける効率化に対して銀行の果たす役割が低く成っていくので、銀行も高い賃金を支払い続けるのが少しずつ難しくなるのは見えております。(既に地銀では、その傾向が出てきております)

そう考えていくと、資本主義に於いて高い賃金を貰うには、これからの世の中において「高い資本効率を生み出す」業界に入り込む事が必要条件とされてくるように見えます。当然ながら、「高い資本効率を生み出す」業界は時代とともに変遷していきますので、自分が学ぶ能力が、これらの業界で必要とされる能力であれば高い賃金にありつける確率が高いとも言えます。

話は代わりますが、専業主婦(主夫)が生み出す価値はどれだけなのか?というのを考えていきたいと思います。経済の発達の歴史というのを見ますと、経済が発達するというのは各業界が専門性を持って分業化していき、それに携わる人々も分業化された仕事に専門性を持って携わる事で効率を上げる事を意味します。

この観点から、主婦業(主夫業)を見ていくと、主婦業とは家庭の全ての事をなんでもこなして行く必要がある一方で、何でも屋ということは資本市場において効率化がされていないという事を意味するので、主婦業その物は資本市場に対しての効率性の向上にそれほど貢献していないと見なせます。

それでは専業主婦業(主夫業)が資本市場の効率向上に貢献しているのは何かといえば、夫もしくは妻が会社等で働くことに専業し、家庭における負担を無くすという分業が進むことで、(資本市場に対する)労働効率が上がるという点にあります。そう見ていくと、資本主義下における専業主婦業(主夫業)の価値は、主婦業(主夫業)そのものよりは、外で働く夫や妻の給与次第で決まってくるとも言えます。

日本では、現在、子供を保育園にあずける共働きが増えて来ておりますが、その背景には夫や妻の給与だけでは足りないという側面もあるのですが、日本における労働力が不足してきている中で、労働効率を上げるには、夫も妻も分業化された仕事を持ち、子供は保育園等の分業化された効率的な世界で面倒を見てもらう事により資本市場における効率を高めているという側面も持っていると思います。

人の幸福感と経済的効率性が何でもかんでも一致するわけでは無いところが、資本主義下での労働にはらむ矛盾点であったりするわけですが。

投稿者 cazper : 12:53 | コメント (0) | トラックバック | b_entry.gif