Cazperのつれづれ日記: 商業目的の研究開発

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2005年10月19日

panda01.gif 商業目的の研究開発

技術系の企業にとって研究開発(R&D)は必須です。しかし、研究開発ほど会社にとって当たり外れが大きくでる分野はありません。

大概、企業の研究開発部門というのは、「何をやっているのかわからん」「物にならない事ばかりやって、利益を食いつぶしている」と思われやすいので、企業の状況が悪くなると真っ先に予算が削られやすい部門です。

また、研究開発部門に所属する人は、狭い分野では成果をあげる事はできるものの、その分野自体がマーケットニーズに見合っているのかを感じたり、調べたり、興味を示したりしない傾向にあります。

したがって、研究開発部門を野放しにしておくと、技術のための技術や、利益にならない技術開発に突っ走る傾向があります。(特に、一匹狼的な人だったり、オタク的な人程こういう傾向にあります。)

もちろん、大学や公的な研究期間ならば、利益が見えない技術開発も有りだとは思います。しかし、利益団体のR&D部門に関しては、企業の利益に結び付かない研究開発を行う事は、株主利益に反する行為になります。

そうは言っても、研究開発部門の人は「需要なんていうのは技術や製品を作るまでは分からないし、マーケットと言うのは創出するものでしょ。」と反論する事が多いでしょう。

でも、「製品や技術を作るまで全く需要が分からない」なんて事は幾どないのではないでしょうか??

例えば、MP3プレーヤーの市場というのは、既存のMDやCDプレーヤーの市場とほぼ被る事が仮定できるわけで、その仮定を元にマーケットボリュームは大まかに予想できるわけです。

また、青色発行ダイオードでいえば、潜在的に青色LEDが開発されれば、LEDの応用製品を具体的にイメージする事が出来るのでマーケットボリュームが大まかにわかるわけです。

もし、全く需要(規模)が分からない状態ならば、最低限の収益を計算する事ができないので、この段階で研究開発を進めるべきではないと思います。

(もちろん、研究開発を破壊的なイノベーションか、持続的なイノベーションか区別する必要はあります。)


株主の立場から、企業の研究活動に対して意見を述べている文を以下に紹介しておきます。

フィッシャーの「超」成長株投資—普通株で普通でない利益を得るために(pp.68-69)
研究費を最大限に活かすためには経営陣のあいだにも協調関係が必要です。この協調関係とは主に意志統一のことを指しているのですが、経営陣は企業の研究開発というものが基本的にどのような性質をもっているのかを認識していなくてはなりません。開発プロジェクトというものは、業績が順調だからといってむやみに拡大するわけにはいきませんし、また、業績が悪いからといって急に縮小すると製品を開発するまでのコストが最終的には大幅に高くなってしまいます。経営幹部の一部が肩入れして「割り込み」をさせた開発計画も、ときにはやむを得ない場合もあるかもしれませんが、たいていは単なる無駄でしかありません。ある研究開発で重要な役割を果たしている複数の研究員が突然引き抜かれると、順調にいっていたプロジェクトが破綻してしまうことも有るのです。研究者たちを強引に配置転換させて新たに立ち上げたプロジェクトは、確かにその時点では非常に重要なものであっても、すでに進んでいる研究計画を台無しにしてまで始める程の値打ちは認められない場合が多いのです。商業目的の研究開発を成功させるうえで不可欠なのは、研究費用の何倍もの利益を約束する仕事だけを選ぶことです。しかし、プロジェクトが動きだしたあとで予算を見直したり、無関係な外的要因によってプロジェクトの予算を削減したり増やしたりすると、開発コストの総計は、そこから得られる利益に比べてどうしても膨らんでしまうことになるのです。

投稿者 cazper : 2005年10月19日 20:23 | b_entry.gif
     

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