Cazperのつれづれ日記: IT系新興企業が上場する一つの意義

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2005年10月27日

panda01.gif IT系新興企業が上場する一つの意義

今ゆっくり読んでいる本が、クリステンセン氏の本なのでこのネタばかり続きます。(他ネタあるけど、それはそのうち・・・)

IT系の新興企業って、どうもマスコミに騒がれるような行動をとりたがりますね(笑 楽天がTBS買収に動いたり、ライブドアがフジテレビ買収に動いたり・・・。

でも、こういう行動が取れるのは、新興企業が上場できる環境があるおかげでもあるわけです。何故なら、新興企業は上場することで、M&Aに必要な資金調達を容易にしていますから。(もっとも、MSCB等の既存投資家に対して不利な資金調達をしているという問題も生じていますが・・・)

それじゃ、IT系企業のこうした一連の行為は、間違った行為なのか? というとそうも言い切れない部分があります。

まずは、↓の文章を読んでください。

明日は誰のものか(クレイトン・M・クリステンセン)

既存企業は、進出を狙える金持ちマーケットが全く存在しないとき、逃避ができない。それでは、既存企業が破壊的な攻め手に対抗しようと強烈な意欲を燃やすのは、いつのことなのか。参入企業が既存企業と良く似た方法で儲けたり、あるいは良く似た業務プロセスを実行したりするのはいつか。参入企業が窮地に陥るのは、既存企業にとっては魅力の無いようなビジネスモデルを開発しない場合、あるいは、破壊的なビジネスに適した独自のスキルを磨き上げないときだ。参入企業は規模が小さく、気にもかけないようなマーケットに対する既存企業の無関心につけ込むことによって、初期段階での成長を達成できる。けれども、ひとたび参入企業によってそのマーケットの存在が広く世の中に明らかになると、参入企業がそのマーケットへの進出を魅力のないものにとどめておかない限り、既存企業は自らの経営資源を総動員してそのイノベーションを取り込んでしまうだろう。既存企業の意欲が向かう方向は当然、逃避から闘争に変わることになる。直接ぶつかるときお互いの勝とうとする意欲に差が無いのなら、既存企業の方がその戦いの武器として、いくらか有利な材料を持っている、というのが現実だ(p.128)

新興市場が無く、旧来型のビジネス展開しかできない世の中であったとするならば、コンテンツを提供するインターネット企業は、テレビ業界に逆に食われたのではないでしょうか。

インターネットの影響力が大きくなったとはいえ、コンテンツを提供するという意味では、テレビ業界にまだまだ利があります。何せ、電波法という規制の下で独占的なコンテンツ提供を行っているわけですから。

それじゃ、何故「テレビ業界」側からインターネット企業を買収するという話が持ち上がらないんでしょうか? それは、まだテレビ業界がインターネット業界の影響を受けていないからです。

でも、広告宣伝費というパイにも限界が有りますので、インターネット業界がテレビ業界のパイを食い始めるのは時間の問題なわけです。旧来型の世界であれば、規制に守られたテレビ業界は資本の理論でインターネット業界に買収をしかけ始めるでしょう。


ところが時代は変わり、新興市場が創設されて資金がIT系の新興企業に多く集まるようになりました。今までは、資本が小さい新興企業は、既存企業が脅威を感じ始めると攻撃される一方だったわけです。そのため、新興企業は体力がつくまで敢えて既存企業が目を付けない分野ばかりを攻めるしか有りませんでした。それが、新興市場が上場しやすくなり資本が新興企業に集まりやすくなることで、(新しいビジネスモデルで)既存企業の領域に踏みこむ事が出来るようになったのだと思うわけです。

既存企業の被る領域に素早く踏み出す資本を得る事が、体力が無いがスピードが必要なIT系新興企業が上場する1つの意義なのではないでしょうか?

投稿者 cazper : 2005年10月27日 08:56 | b_entry.gif
     

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コメント

 ご無沙汰してます。
 インターネット企業側からM&Aが仕掛けられ、「テレビ業界」側からインターネット企業を買収するという話が持ち上がらないのは、テレビ業界側にそういう斬新な発想がなく、現状維持でいいというサラリーマン的な発想しかないからではないではないかと個人的には思えます。

 買えるものは買うというのは、資本の論理ではありますが、従来の日本型企業のひとつに過ぎず、規制に守られたTV業界からはそういった発想は出ずらいのではと考えます。

投稿者 塩崎 : 2005年10月27日 20:24

おひさしぶりです。

今、(見えない多くの部分で)パラダイムがシフトしているのですが、現状に甘んじている人々には、それが見えていないようなんですよね。

P.S.
私のWEBからリンクさせて頂きました。

投稿者 Cazper : 2005年10月29日 12:47