Cazperのつれづれ日記: 特許をどう捉えるか[投資家の立場から][メモ]

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2005年11月 1日

panda01.gif 特許をどう捉えるか[投資家の立場から][メモ]

題名は投資家の立場からと書いてありますが、特許等の知財に関わる意思決定をする人にも必要な考え方だと思うのでちょっと紹介。

知財マネジメント入門(米山茂美、渡辺俊也著)

まず技術は、自動車やテレビ、携帯電話など私たちが一般に購入する消費財のように有形で可視的な物ではなく、無形で不可視的という特徴をもっています。その特徴はホテルやレストランなどで提供されるサービス財のそれと似ていますが、技術は中間財であり、ユーザーがそれぞれの文脈に応じてそれを活用し、所定の問題解決を図る必要があるという点で、サービス財とは異なっています。つまり、サービス財がその取引の時点において特定の価値を実現しているのに対して、技術はそれがどのように利用され、実際にどれくらい有用かという価値実現の不可知実性をともなっています。
一方で、そのような中間財としての技術の特徴は、部品や原材料などの「いわゆる生産財のそれと類似していますが、生産財は消費財と同様に一般に有形で可視的な特徴をもつ点で技術とは区別されます。このように技術的知識とは「無形・不可視的で、価値実現の不確実性をもつ中間的な財」であり、その特徴は消費財やサービス財、生産財のいずれとも異なっています。(p160)

知的な財は、財産的な価値をもつこともあれば持たない事もあるんですね。だから、特許保有数が多くても、それ自体は意味がありません。

特許をいかに有効活用しているかという部分が重要なわけです。ただ、こう書くと、常に次の議題が持ちあがります。「特許の目利きが居ない」

この議題が持ちあがる理由は、特許こそが会社の研究・開発を進めていく上で最重要だと考えているからに他なりません。重要なの点そうではないのです。特許のように一定期間で有効性が無くなる権利よりも、永続的な能力を高めて行くことの方が重要になります。

この事を端的に書いている本を以下に紹介します。

フィッシャーの「超」成長株投資

特許をもつ企業は、他社との競争においてはっきりと目に見える利点を手にしていることになります。とはいえ、そうした利点は、普通、それほど大きなものではありません。

製造技術、販売網とサービス組織、得意客、消費者に関する知識といったもののほうが特許よりも大きな力となります。実際、大企業が利益率を維持するために特許に頼るようになったとしたら、もはやそれは投資家の観点からは危険な兆候と見るべきです。特許は永久的なものではありませんから、そのような企業の利益は、特許権が切れた時点でひどく落ち込む可能性もあるのです。

新興企業は、特許が無ければ、大企業に製品をコピーされ、確立された顧客との関係を使ってシェアを奪われ、市場から締め出されることにもなりかねません。


企業を守る根本的な力というのは、特許が与えてくれるのではなく、常に他社よりも進んだ技術力を保つことから生まれるものなのです。投資の観点から企業を評価する際に、特許というのはときとして確かに大きな要素となります。しかし、特許による保護を重視し過ぎてはならないのだという点も、同時に強く意識していなくてはなりません。

特許での優位性がある内に、企業の永続力であるブランド力・販売力を高める事が重要になってきます。

投稿者 cazper : 2005年11月 1日 08:01 | b_entry.gif
     

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