Cazperのつれづれ日記: 起業家・マネジャー・職人は油と水のようなもの

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2006年11月28日

panda01.gif 起業家・マネジャー・職人は油と水のようなもの

大連に旅行中に、人生を考え直すため(笑 に本を読んでいました。スモールビジネスを成功させるために助言をしてきたマイケル・E・バーガー氏の本です。
はじめの一歩を踏み出そう
これは非常に良い本です。人々の中には3種類の人格が住んでおり、そのバランスがとれるとスモールビジネスが順調にいくというのです。もちろん、事業が大きくなったときは事業体が抱える3種類の人種のバランスが重要になっていくという事でもあります。


起業家(変化を好む理想主義者)
 起業家とは、ささいなことにも大きなチャンスを見つける才能をもった人である。ときには理想主義者と呼ばれながらも、将来のビジョンをもち、周囲の人たちを巻き込みながら、変化を引き起こそうとする人物こそが起業家である。
 起業家とは未来の世界に住む人でもある。決して過去や現在にとらわれることはない。起業家は「次に何が起きるだろうか?」「どうすれば実現できるだろうか?」といった問題を考えるときに幸福を感じる。
 起業家は革新者であり、偉大な戦略家である。そして新しい市場を創り出すための方法を発明する。

 起業家にとっての課題は、いかにして足を引っ張る人達から逃れ、チャンスをものにできるかである。起業家にとって、周りの人たちは夢を邪魔しようとする障害物なのである。

マネジャー(管理が得意な現実主義者)
 マネジャーとは管理が得意な実務家である。マネジャーがいなければ、計画さえ立てられずに、事業はたちまち大混乱に陥ってしまう。
 
 起業家が未来に住む人であれば、マネジャーは過去に住む人である。起業家が変化を好むのに対して、マネジャーは変化を嫌う。目の前の出来事に対しても、起業家はチャンスを探そうとする一方で、マネジャーは問題を探そうとする。
 マネジャーは家を建てればその家に住み続けようとするが、起業家は家を建てるとすぐに次の家を建てる計画を始める。
 マネジャーがいなければ事業も社会も成り立たないが、起業家がいなければ革新も起こらない。

職人(手に職をもった個人主義者)
 職人とは、自分で手を動かすことが大好きな人間である。
 「きちんとやりたければ、人に任せず自分でやりなさい」これが職人の信条である。職人にとって、仕事の目的は重要ではない。手を動かして、モノをつくり、その結果として目的が達成されれば満足なのだ。
 起業家が未来を生き、マネジャーが過去を生きているとすれば、職人は現在を生きる人である。モノに触れて、つくりあげることが大好きで、決められた手順にしたがって仕事をしているときに、幸せを感じるのである。
 職人にとっては、考えるという作業は生産的ではない。(もちろん、目の前の仕事について考えることは大切だが)。そのため職人は、難解な理論や抽象的な概念に対して懐疑的である。考えることは役に立たないどころか、仕事の邪魔にすぎず、「どうすればいいか」さえわかればそれで十分なのである。


 マネジャーから見れば、職人は管理すべき対象である。職人から見れば、マネジャーはできればかかわりをもちたくない人物である。たいていの場所、二人の意見は一致しないのだが、起業家がトラブルの原因であるということだけは、二人の共通認識となっている。(pp.37-42)

上記の3つの人格で、自分の中でどれが強いのかを見てみると良いでしょう。何らかのスキルに注目して行動しているならば自分の中で職人気質が8割あるといっても良いでしょう。職人気質の割合が大きい人が8割程いると思います。 自分を見つめてみると…8割程の人間には入ってないような気がしてなりません(^_^;;)

人格のバランスが他の人と違うと、物事を見る視点が違くなってきます。


 起業家は、事業を商品だと見なしている。つまり、自分の会社は競合商品と一緒の棚に並べられているので、隣の商品よりも顧客の目を引きつけなければならない。
 起業家にとって大切なことは、その事業で何を提供するか(What)ではなく、どのようにして提供するか(How)である。商品よりも、それを提供する方法が重要なのだ(p.94)

 起業家の視点は、まず顧客像を明らかにするところからスタートする。はっきりとした顧客像をもたないかぎりは、どんな事業でも成功しないのである。
 反対に職人は、自分に出来ることを決めたうえで、その売り方を考える。結果として、誰にどのようにして売るかという問題は深く考えられないままになってしまう。(p.94)

●起業家にとっては、事業そのものが商品である。
●職人にとっては、商品とは顧客に手渡すものである。(p.95)

「職人タイプの経営者にも、起業家の視点はもてないのか?」と思っていないだろうか?残念なことに、その答えはノーである。職人は顧客のニーズなどに興味をもたないだろうし、ほかにもやるべき仕事は多いのである。(pp.95-96)

つまり、起業家思考の強い人が職人や職人気質のマネジャーに何かを語っても全く理解できないわけです。

年老いた人ばかりが蔓延って活力が失われたり立ち行かなくなった企業というのは、年功序列の影響で権力だけもった職人や職人気質のマネジャーによって支配された状態なんだろうと思います。だからこそ、最近になって若者への抜擢人事が叫ばれるのもわかる気がします。

あるべき姿を持っていない経営陣・マネジャーが支配する会社は、現実とあるべき姿のギャップを埋める事がいつまで経ってもできず、予算未達と下方修正を連続させるだけなのです。

P.S.1
自社の理念が言えない人がマネジャーや経営陣にいたとしたらヤバいですね。そして、理念にそぐわない事業を走らせているとしたら、その企業が消え行くのは時間の問題でしょう。(試しに、自分が従業員ならば上司に聞いてみると良いでしょう。・・・京セラの人なら問題なく理念を言えそうですが。)

P.S.2
ちなみに、職人や職人気質のマネジャーほど経営コンサルタントを大概嫌います。実務をした事のないコンサルタントに自分が関わる事業の意見を言われるのを嫌うのもわかるのですが、経営の基礎も学ばずに嫌っているとしたら食わず嫌いの子供と同じです。

投稿者 cazper : 2006年11月28日 01:43 | b_entry.gif
     

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コメント

うーん深いねえ。
わしのように現実と未来を行き来している人種は
どこに属すればええんじゃろうの?

投稿者 のまっち : 2006年11月28日 19:19