Cazperのつれづれ日記: 優秀な戦術家と優秀な戦略家は別

« 初笑い | メイン | 折込チラシのワンストップサービス »

2007年1月 2日

panda01.gif 優秀な戦術家と優秀な戦略家は別

組織の中の一員として業績を上げられるからといって、組織のトップになって業績を上げる能力があるかどうかは別次元です。

バブル前の銀行を見てみましょう。その頃は、融資を如何に多く出来たかどうかが個人の成績に反映され、多くの融資が出来た人間ほど出世しました。しかし、そうした人々は融資を多くする事が更なる組織の発展に繋がると信じていたので、組織のトップに立っても如何に多くの融資を部下にさせるのかしか考えていませんでした。その後バブルが崩壊しました。その際に、銀行そのものに大きく傷をつけたのは、多くの融資をする能力のある人だったわけです。

融資を如何に多くできるのかは戦術的な能力です。戦術的な能力を持っている人を戦略的な事をするポジションに引き上げてしまったのが昔の銀行の過ちだったのです。

世の中を見ていると戦術的に優れている人は沢山見かけます。そして、彼らは戦術的な実績を認められて組織の中で昇進し、下位・中間マネジャーの地位を獲得しています。まだ、下位であれば戦術的な能力で組織力を発揮させることは可能となるでしょう。しかし、組織の上位になればなるほど戦略的な能力がなければ組織を良い方向へ導くことは出来なくなります。


以前、テレビで将棋の羽生善治さんが「最近は、大局観を大切にしている」と話していました。大局観とは「細部にとらわれず、全体の情勢を判断する考え方」です。抽象的に書けば、風の流れを読む能力です。

将棋でいえば、「とにかく攻めよう」「いまは我慢しよう」といった、もう一段上の方向性だけを決めるというもので、打ち手の選択に迷った時の意思決定基準になるものです。ビジネスの現場では、企業の直面する様々な問題群が形成する「循環構造」を把握する能力となります。

実績を評価する際には、実績が戦術からくるのか戦略からきているのかの違いを把握する事が組織運営では大切ですね。


P.S.1
大体、疲弊している組織(企業体)は戦略が描けない人が上位の管理職に就いているケースが多いように思います。そして、性質が悪いのは戦術家は(戦略が何たるかを認識できないので)自分は間違っていないと信じている事です。そのため、組織全体が沈没する方向に走っていても、自分は頑張っていると思っているのです。
それじゃ、彼らをどうすべきかというと…かつて松井証券等の企業がどうしたのかを見れば分かりますよね…。

P.S.2

投資銀行
 多くの日本の企業経営者は、組織の中で重宝がられて上に上がってきた人たちである。
 しかしながら、組織の中で「上の人に重宝がられる人」と「上に立つ人」とでは、本来、求められる資質が決定的に違う。

(中略)

 もっと極端な失敗例、たとえばカネボウ、長銀、山一證券などの場合はどうだろうか。事業分野を絞りきれず総花主義に終始したカネボウ、いたずらに融資規模を拡大した長銀。これらの企業を破綻においやった経営者を見ていくと、たとえ課長や部長として実績を上げた人であっても「本来はトップになるべきでない人」が「トップになってしまった」ことから悲劇が始まったことに気付かされる。
 「上の人に重宝がられる人」と「上に立つべき人」とでは求められる資質が根本的に違う。(pp.29-30)

投稿者 cazper : 2007年1月 2日 06:43 | b_entry.gif
     

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.cazoo.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/1282

コメント