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2005年9月19日
知的財産権や暖簾の価値に対する一考
最近、知的財産権やのれんの価値を算出して財務諸表に反映させるべきだという意見が多くなってきているので、知財やのれんに関しての価値を生成する根本的な部分を記します。
ここで、まず質問です。「土地には財産的な価値があると思いますか?」
これは、YESですね。
なぜならば、土地を譲渡するときには、何らかの値段がつきますからね。
それじゃ、「土地そのものは生産的な価値があると思いますか?」
これは、Noです。
なぜならば、土地を保持すること自体には価値が生まれませんので。生産的な価値を生むのは、土地の上に耕された畑や、土地の上に建てられたオフィスや工場なわけです。
それじゃ、次に「知的財産権には財産的な価値があると思いますか?」
これは、Noです。
この点については簡単でしょう。知的財産権とは無体財産なので、無体な物そのものは固有の価値がありません。
権利自体に財産的な価値があると思ってはいけません。知的財産権とは知的な部分を切り出して財産的な権利を付与した無体な物にすぎません。知的な物自体が全て財産的な価値があるのかというとそうではありません。
それじゃ、「知的財産権そのものには生産的な価値があると思いますか?」
これは、Yesのときもあれば、Noのときもあります。
知的財産権は、キャッシュを生むならば生産的な価値があります。 しかし、キャッシュを生まない知的財産権は、保持しているだけで登録料を払いつづけなければなりません。つまり負債みたいな物です。
ここで気をつけた欲しいのは、防衛特許も、それだけをみたら生産的な価値を生み出していません。防衛特許自体を見ていたら、キャッシュを生まないで、登録料を払いつづけなければなりませんから。
防衛特許が生産的な価値を生むのは、キャッシュを生む知的財産権と抱き合わせた場合だけです。
ちなみに暖簾も同様です。ブランド自体に価値はありません、ブランドがキャッシュを生むエンジンになるから価値が生まれるのです。傷ついたブランドを欲しがる人はいません。その証拠に、悪いイメージのついた会社は会社名を変更していますからね。
以上のように、土地などの有形固定資産と、知的財産権や暖簾のような無体財産というのは大きく性質が異なります。
現在は、知的な部分やブランドといった無体財産をバランスシート(貸借対照表)に計上すべきだという議論が盛んになっていますが、資産にも負債にもなりかねない無体財産を 何も考えずにバランスシート上の「資産の部」だけに計上しようとする動きはおかしいと思います。
投稿者 cazper : 2005年9月19日 12:06
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