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2005年12月 9日
投資家気取りの投機家
投資家と投機家の区別ってその人の行為だけから判断するのは実は凄く難しいです。
ベンジャミン・グレアムは「賢明なる投資家」の中で、投資家と投機家について、「投資家と投機家の最も現実的な相違は、その人が市場変動に対してどのような態度で臨むかという点である。投機家の最大の関心事は、株価の変動を予測してそれによって利益を得ることである。投資家の最大の関心は、適切な価格で取得して保有することである」と定義しています。
賢明なる投資家
でも、「結局、投機家にしろ投資家にしろ、株価の値上がりを狙うわけで、結果的にはやってる事は同じなんじゃないの?」と言いたくなります。資本を投ずる行為を見ると、投資家だろうが投機家だろうが、株式を安く買い、高く売る事になるので、両者の区別がつきません。
それでは、投資家と投機家は何が違うのでしょうか?
私なりの意見としては、投資家と投機家の違いはマインドの違いでしかありません。
●投資家 = 相手が得をして、その結果として自分が利益を得れればOK
●投機家 = 相手が損しよう得しようが、自分が利益を取れればOK
ここで言う"相手"とは、投資先企業だけではなく、投資先企業の消費者も含まれます。つまり投資家の精神というのは、投資先を通じて市場(ステークホルダー)が持ち上がる事を願っているわけです。
板倉雄一郎氏の言葉を借りれば、価値創造をしようとしている人々は投資家マインドを持っており、価値創造しようがしまいが自分(だけ)が儲けられる行為をしている人々は投機家マインドを持っている事になります。
この投資家マインドと投機家マインドは、株式市場や商品市場だけに関る事ではありません。企業世界や政治の世界、家庭生活といった所にまで、これらのマインドは関ってきます。
まず、企業世界について考えましょう。
例えば、コンサルティングファームは、知識を投入して相手を良くする事を考えて解決法を提案するのが仕事なわけですが、相手先の企業に合わないコンサルティングをしているのに、自分は完璧な仕事をしたのだからお金を貰って当然だと考えていれば、投機家の部類に入ります。
一般的な企業の経営者にしても、売り上げを無理に上げてでもIPO出来てしまえば一般の人々に株式を高く売りつける事ができると主に考えていれば、投機家マインドを持っていることになります。
VC(ベンチャーキャピタル)や証券会社にしても、相手の企業の事情を考えないで資本を注入し、IPOをひたすら目指させているとしたら投機家そのものだったりします。
政治の世界は・・・飛ばして、家庭生活についても述べれば、
一般家庭で子供を育てるときに、子供に立派なスキルを持たせるために勉強をひたすらさせて、他の人よりも有利に生きさせようとしか考えていない親が居たら、その人は投機家マインドを持っている事になります。もし、投資家マインドを持っているとすれば、子供が世の中に役に立つ人になるために、本人に合った勉強の他に、心の教育やコミニュケーションスキルを施していくことになるからです。
このように世の中のあらゆる場面で、投機家や投資家が存在しているわけです。でも、性質が悪い事に、投機家の誰もが自分たちは投機家マインドの持ち主だとは思っていない事なんですよね。したがって、投資家気取りの投機家を見抜く目を鍛え、彼らとは距離を置く事が投資家への第一歩なのだと思います。
投稿者 cazper : 2005年12月 9日 18:51
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