Cazperのつれづれ日記: 自社株買いは誰のため?

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2006年8月29日

panda01.gif 自社株買いは誰のため?

何度も書いてきたし、他に書いている人もいるので書くのも飽きてきたけど、未だに理解していない人が多過ぎなので指摘しておきます。

8月28日の日経新聞に「企業の自社株買い倍増」という記事が載っています。

 企業が自社株買いを加速させている。トヨタ自動車や新日本製鉄など日本を代表する大企業が自社株取得に余裕資金を積極的に振り向けており、上場企業が今年度に入って7月末までに買った自社株の総額は前年同期間と比べ倍増した。生き残りをかけた企業買収が内外で活発になるなかで、企業経営者が自社株買いを攻守両面から有効な手段として認知し始めたことが背景。自社株買いの拡大は、株式市場での需給改善と産業再編を促す可能性がある。

 新興市場を含む上場企業が今年度に入り7月末までに実施した自社株買い総額は、野村証券金融経済研究所によると前年同期の8500億円のほぼ2倍の1兆6800億円に達した。12カ月換算では、過去最高だった昨年度の5兆1000億円に匹敵する。(引用元)

この記事をみて感じるのは…企業経営者が自社株買いの本質的な部分を理解していないと言うことです。

自社株買いとは、「株主価値>株価」ときにやるからこそ株主価値が向上します。逆に、「株主価値<株価」のときに自社株買いをするということは、自社株買いに応じている人にプレミアムを払うことで、株主価値を毀損させているのです。

自社株買いの拡大は、株式市場での需給改善と産業再編を促すかもしれませんが、株式を保有し続ける人に損をさせてまで自社株買いを行う企業があれば、それは、経営者の保身もしくは無知を疑いたくなります。

ネットキャッシュが潤沢にあるからといって、企業買収の標的にならないように自社株を安直に買ってはいけないと思います。「株主価値>株価」であれば自社株買いを進めるべきでしょう。しかし、「株主価値<株価」の場合には、投下資本利益率の高い事業に投資していくべきでしょう。そして、投下資本利益率の高い事業への投資案件が無いならば配当を厚くすべきなのです。

P.S.
ROIC-WACCとか書いても、理解できない人もいると思うので深くは書いていませんが…、詳しく知りたい方はググると良いと思います。

投稿者 cazper : 2006年8月29日 00:21 | b_entry.gif
     

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