Cazperのつれづれ日記: 少品種多量生産が減ったんじゃない、逃げただけだ

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2007年2月28日

panda01.gif 少品種多量生産が減ったんじゃない、逃げただけだ

最近、多品種少量生産が増えてきたと言います。確かに、物余りの時代になったため「物より思い出」な人々に物を売るためには個々人の感性に合った商品を作る必要性があります。しかし、だからといって多品種少量生産の形態は無くなってしまったのでしょうか?

そうは思いません。百円ショップに行けば同じ形をしたプラスチック製品を多数見かけますし、建設現場に行けば同じ形をしたH鋼を多量に見ることが出来ます。ある所には少品種多量生産のビジネスは残っているのです。

ただし、少品種多量生産をするわけですから、生産コストは出来るだけ最小にする必要があります。製鉄業の場合は、人件費よりも設備の費用の方が大きいので海外生産をするメリットが小さいのですが、汎用的なプラスチック加工業のような人件費率の割合の大きい事業になればなる程海外へ逃げやすくなります。

一方、多品種少量生産となると、消費者の動向に即座に対応する必要が出てきます。そのため、コスト削減のために海外や地方へ生産拠点を構えるよりも、人件費が高くても消費地に近い場所で生産する必要が出てきます。

そのため、先進国になればなるほど、多品種少量生産の業務が国内に残る事となります。「最近、多品種少量生産の注文が増えてきているので、対応が大変になった」と現場の人々は思うのでしょうが、少品種多量生産が減ったのではなく海外・地方へ逃げただけなんですね。

グローバル企業の成功戦略
 企業が卵を別々の器に入れたい場合、最も可能性が高い選択肢は、世界じゅうに散らばるその他の低賃金国だろう。しかし、繊維・衣料産業で栄える国は、おそらく、将来的には現在より数を減らしていく。(中略) ここで一つの疑問が浮かぶ。中国以外で繊維・衣料製品を生産するとしたら、いったいどこの国が第一候補となるだろうか? まず名前が挙がるのは、インドやトルコなど、大規模な最新の生産施設を持ちながら比較的賃金の安い国々だ。また、賃金が低く、労働者の技能が比較的高く、台湾・香港の投資家との関係が深いベトナムも、この動乱を生き残る有力な候補と言えるだろう。

(中略)

衣料品生産の中国独占がないと思われる理由が、さらにもうひとつ存在する。富裕諸国において、商品の迅速な配送・補充サービスに、現在でも高価格が設定できている点だ。最新かつ最良の製品を一ヶ月先ではなく、"今"手に入れられるなら、先進国の人々は喜んで財布の紐を緩める。(pp.164-166)


P.S.
そう考えると、国内に残った多品種少量生産ビジネスを助けるための試作ビジネスが盛り上がっているのも良く分かります。

投稿者 cazper : 2007年2月28日 12:13 | b_entry.gif
     

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