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2008年10月17日
不況時に簿価会計に戻すというのは"飛ばし"たいに過ぎない
[晴]
新聞を読んでいると米国が時価会計をやめて簿価会計に戻そうとしているようです。
好き勝手にも程がありますね。経済が成長する過程では、不動産・投資信託のような固定資産も価格が上がってくるので、会社の成長を良く見せるためには時価会計の方が良いに決まっています。しかし、経済が減速し始めれば会社の営業益が下がるのと同時に、固定資産の価値も下がるので会社の減速が強調されてしまいます。
会計方法を変えたところで、会社の価値は変わらんのですよ。
んで、そろそろ読み終わるのが↓
マネーロンダリング
ここには、↑の簿価会計を利用した"飛ばし"のスキームが書いてあったりして面白いですね。
| 21世紀を迎えても、日本中の金融機関はバブル期の過剰融資の莫大な不良債権に苦しめられていた。いい加減な土地を担保に10億貸したら、地価が半分の5億になってしまった。こんなのはまだいいほうで、地価が八割、九割下落したところだって山ほどある。ゴルフ場やリゾートの開発計画に100億出したら、計画そのものが頓挫してしまった。こうなれば、担保の土地は山林や原野に逆戻りだ。 黒木は、こうした金融機関に、不良債権を簿価で買い取ってやると声をかけた。時価で5億円の値打ちしかない不動産に、簿価の10億円出そうというわけだ。もちろん、この話には裏がある。この10億円は、当の金融機関が出すのだ。 黒木の持ち込んだスキームは、次のようなものだった。 まず金融機関が、オフショアに設立されたジャパン・パシフィック・ファイナンス(JPF)のファンドに10億円の投資をする。JPFは、この10億円で、金融機関が担保にとった時価5億円の不動産を簿価で購入する。これで10億円の融資は全額返済され、記入機関のバランスシートから不良債権は消える。代わりにJPFへの10億円の投資貸付が生じるが、こちらはまともな会計監査もないオフショアのファンドだから、含み損を時価で評価する必要はない。要するに、損失の飛ばしだ。 JPFは、購入した土地を売却して5億円の現金に替え、それを年10パーセントで運用する。理屈の上では、10年もしないうちに5億円の元金は10億円に増えるはずだから、そこで金融機関への貸付を返済すればメデタシメデタシというわけだ。 もし仮に投資が失敗したとしても、損失が確定するのは、ファンドが償還される10年後だ。その頃には、現在の経営陣は全員、無事に退職しているはずだから、会社がどうなろうが関係ない。その一方で、いますぐ会社を倒産させてしまえば、退職金が受け取れないのはもちろん、株主代表訴訟で訴えられたり、背任罪で刑務所にブチ込まれる恐れもある。それを考えれば、誰だって損失はできる限りバランスシートの外に飛ばして、責任を後任に押し付けようと考える。その後任も、自分が任命した後継者にすべての損失を押し付ける。90年代の日本企業は、要するにこういうババ抜きをずっと続けてきた。これでは、現在の経営陣にいくらモラルを要求しても無駄というものだ。(pp.353-354) |
もし、現在の状況で米国が簿価会計に戻すようならば、この世界的な問題を起こした人たちはルールの変更によってババ抜きから勝ち抜けできるようになります。これは不公平だと思われても仕方が無いでしょうね。
今日は1日中ポスター製作に終われてました。イラストレータなどという高級ソフトは無いのでInkscapeで地道に製作ですよ。そして、ファイルに不具合があったら直接SVGファイルを手修正。こういうの慣れてるので別に良いんですけどね。
投稿者 cazper : 2008年10月17日 23:59
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コメント
マネーロンダリングは非常に興味深いね。誰も皆、いかに自分や自分の企業をよく見せようとするかの努力の結果、ついこういう風にしてしまうのだと思う・・・。またはやらざるを得ないようにどこかから追い込まれている。そうした粉飾に近いようなものを見破る力が必要ですな。
投稿者 K : 2008年10月19日 01:22