Cazperのつれづれ日記: 単独記憶ではなく連想記憶

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2007年5月18日

panda01.gif 単独記憶ではなく連想記憶

私は記憶力が無い方です。特に人の名前は覚えられず、毎日会ってる人であっても名前が出てこない事すらあります。(って…それはヤバいだろって言われるんですが…)

記憶力が悪いと中学・高校での勉強では辛い思いをします。中学・高校の勉強は記憶力を必要とするからです。古典では古語を覚えなければならないし、歴史では個々の事象の西暦・年号を覚えなければなりません。

しかし、現代においてはこれらの個々の単語や年号はインターネットで調べると直ぐに出てきます。Wikipediaで調べればどんな時代に何があったのかという事象でさえ一瞬で調べる事が出来ます。人間の記憶と違い、コンピュータやネット上の記録は劣化する事はありません。そのため、人間が個々の事象を記憶するメリットは減ってきています。

だからといって、人間が全く記憶しなくても良いという事にはなりません。外部に個々の事象の記憶を任せたという事は、そこへのアクセス法を新たに記憶しなければならないからです。アクセス法を学ぶためには、多くの個々の事象を脳にインプットし、多くの事象を忘却する必要があるようです。

先週読み終えた本に、ネット時代の記憶の在り方が書いてあったので紹介しておきます。

フューチャリスト宣言(梅田望夫/茂木健一郎)
茂木:「連想記憶」、つまり、あるものを思い出すときにそこから連想して別の物まで思い出すという事がありますよね。クエスチョン&アンサー方式に空白部分の穴埋めをして正解を出すというタイプの記憶力ではなくて、チェーン・リアクション的に、ネットワーク的に記憶を展開していく能力がこれから大事になっていくと思うんです。連想力です。村上龍さんにしてもフォトグラフィックにある動作を覚えていて、それを小説にするわけだから、そこからどういう言葉を想起できるか、どういう詩的な連想をできるかが勝負でしょう。そのたぐいの記憶力がこれからは大事になってくるんじゃないかな。
梅田:覚えていないと、脳内で情報処理ができない。
茂木:できないですね。経験が蓄積されていないと。その場合、アイテムの名前を一覧にして覚えておくような必要はないという気がします。記憶のダイナミクスというのは脳の中でもともと大変自由なものです。単に博覧強記にものごとをリストに並べて覚えているという機能だけではないんですよ。その記憶のダイナミクスには、何に感心を払っているのかという志向性が重要な役割を果たしていて……。
梅田:志向性がすべての始まりなんだ。
茂木:そう僕は思っています。特にネット時代においてはそこが非常にクリティカルです。結局、サーチ・アンド・チョイスのチョイスの場面で、どういう志向性を持てるか、ということが大事だという気がするんですね。そこにおける選択肢が「可能無限」になるのだから。梅田さんが休みの日に何をネット上で調べるかには、無限の自由がありますよね。何を志向できるか、自分の人生をこれからどういう方向に向けていくのかというビジョン。それを誤ると大変なことになる。(pp.107-108)

投稿者 cazper : 2007年5月18日 00:31 | b_entry.gif
     

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